2010年01月18日
建築の可能性/駿府教会 -その2内観-
駿府教会
静岡県静岡市
設計:西沢大良建築設計事務所
静岡県静岡市
設計:西沢大良建築設計事務所
-その1外観-に引き続き、-その2内観-をお書きします。1回目に訪れた時には扉が閉まっていたので、外観のみの見学でしたが、2回目に行った時には中も拝見出来たので行きました。
----内観1----
構造は木造だが、礼拝堂は約10m(内法9.1m)角で高さは約9m(天井高7.5m)で出来ている。通常の木造では構造的に無理なので、トラスで解いている。天井を見ると三角形のトラスが見える。
トラスという、困難な構造形式だがトラスを組む事で、細い部材で強い構造に出来る。実際に天井の構造には120×180mmという部材を使用している。細い部材は光が多く入るし、軽く見える。
壁の構造もトラスで組み最大で90×90mmの部材で構成されている(一般住宅では3.5寸角(105mm)や4寸角(120mm)の柱が使われている事を考えるとその細さが分かる)。
壁は天井に向う程、目透かしの幅が広くなり天井付近は下地のトラスが見えるまでになっている。
----内観2----
ガラスの向こうが外と繋がっているエントランスホールです。向って右に行くと外に出て、左に行くとミーティングルームに行けます。
[吸音・遮音]
外壁もそうであるが、内部にも吸音・遮音材が積層さえ外からの音、外への音を遮断している。
----詳細----
[照明]
ミーティングルーム上部に取付けてある蛍光灯。一見すると普通の器具だが天井に埋め込まれている。天井から出ているのは蛍光灯それだけである。無駄な物は削ぎ落とし、欲しい物だけ見えるようにしている。
[扉]
礼拝堂内部にある扉である。壁と合わせて厚み18mmのパイン材が張られている。
2010年01月16日
建築の可能性/駿府教会 -その1外観-
駿府教会
静岡県静岡市
設計:西沢大良建築設計事務所
静岡県静岡市
設計:西沢大良建築設計事務所
静岡県静岡市にある駿府教会をご紹介します。西沢さんには大学に在学中に指導して頂きました。実際に建っている彼の建築物を見るのは初めてだったので、ワクワクして行きました。
やはり、良かった。その一言。
降り注ぐ光の粒にさえも彼がデザインしているような建物でした。
----外観1----
市街地中心の線路沿いの角地に建てられたキリスト教プロテスタントの教会。道路からも電車からも見え、人目に付きやすい場所です。
[構成]
木造。1階は教会とミーティングルーム。2階は3部屋の個室、リビングダイニング、テラスを持つ牧師さんの住居になっています。
[外観1]
外装はレッドシダーを使い、表面に粗い凹凸(割肌板)を残しています。時間が経つごとに色がシルバーブラックに変色し、太陽光が乱反射を起こします。写真が白く光っているのはそのせいです。
----外観2----
直方体の教会に対して、ミーティング+住居部分は切妻形のファザードで構成しています。どちらの形も一般的に使われるものですが、存在感を強調して見えます。人・車・電車が多く通るので、遮音・吸音材が幾重にも積層させ、音が教会内に入らないようにしています。
----細部1----
外壁の先端にあるのが雨樋です。教会部分をより直方体として見せるために小さし、目立たない場所(東側)に作っているのだと思います。
[外壁]
この写真からも外壁が木の色ではなく、シルバーブラックになって変色しているのが分かります。
----細部2----
[エントランス門扉]
左の写真のようなデザインになっています。ツルと葉が巻き付き、可愛らしいデザインでありながら、関係者以外立ち入り禁止と言わんばかりの存在感があります。この門をくぐるとエントランスホール(通路)があり礼拝堂に入ります。
[立上がり・外周]
基礎の立上がりがほとんどなく、外周の砂利と外壁がつきそうです。立方体に見えるデザインでそうしているのだと思います。
雨水の飛散と敷地への浸透を考えて周囲に砂利を敷き詰めていると思われます。
内部は-その2内部-につづく
参考
西沢大良建築設計事務所 http://nszw.com/
駿府教会 http://www.sunpukyokai.org/
教会が建て上げられるまで http://geocities.yahoo.co.jp/gl/sunpukyokai/